ハンドメイド作品を作るうえで、「これがないと困る」と感じる道具、ありますよね。
わたし自身、15年以上帆布バッグを中心に制作を続けてきた中で、自然と手が伸びる“相棒”のような道具がいくつかあります。
今回は、そんな日々の作業を支えてくれている愛用道具を5つご紹介します。
これから道具を揃えたい方にも、見直したい方にも、少しでも参考になればうれしいです。
作業に欠かせない、わたしの“5つの道具”
日々の制作の中で、自然と手が伸びる道具たち。
今回はその中でも、「これがないと困る」と思うほど頼りにしている5つの道具をご紹介します。
長く使ってきたからこそわかる使いやすさや、実感を交えながらお伝えします。
毎日使うからこそ選んだ「チャコナー」
裁断や縫製の準備で欠かせない「印つけ」。
わたしがずっと使っているのは、カワグチの「チャコナー」です。
粉の粒子が細かく、粉飛びが少ないので、布にくっきりと細い線が引けます。帆布のような厚手の素材でも迷いなくカットできるのが魅力です。
一度、他メーカーのチャコライナーを試したことがありますが、粒子が大きく粉が周囲に飛びやすく、裁断時のストレスに。結局、チャコナーに戻ってきました。
手になじみやすく、線もスッと出せるチャコナーは、気づくと毎日手に取っています。無くなるのが怖くて、いつも数本まとめ買いしているほどです。補充用の粉も販売されていますが、私はいつも本体ごと購入しています。
制作前の準備がスムーズに進むと、そのあとの作業も自然と整っていく気がします。
なくてはならない相棒「巻き取り式メジャー」
次に手に取るのが、巻き取り式のメジャー。
サイズ確認はもちろん、長い距離を測りたいときや、ちょっとした確認をしたいときなど、作業中は何度も使います。
「シュッと出して、スッと戻す」この動作が心地よくて、思わず手が伸びてしまう存在です。
今使っているのは2代目。初代は10年以上使い込んで壊れてしまいました。買い替え時に他の商品も検討しましたが、細かな仕様が気になり、結局同じものを選びました。作りがしっかりしているので、また長く付き合えそうです。
巻き取り式は、作業中も机の上で邪魔にならず、収納もしやすいところが気に入っています。
精度と効率を支える「裁断3点セット」
帆布バッグづくりでは、裁断の精度が作品の仕上がりを左右します。
わたしが長く愛用しているのは、カッターマット・定規・ロータリーカッターの3点セットです。
カッターマットは、オルファのA2とA1サイズを並べて使用。方眼入りなので直線裁ちの多い帆布にはぴったりです。市販ではA1が最大なので、A2を横に並べて広さを確保しています。
定規は滑り止め付きの厚みのある30cmと50cmタイプを使用。カッターの刃が乗り越えにくく、安全に作業ができるうえ、刃の消耗も少なく済みます。普段は30cmをメインに使っていて、50cmは大きな直線裁ちのときに出番があります。
ロータリーカッターはオルファの45mmと28mmを使い分けていますが、最近は45mmを使うことがほとんど。ハサミだと2mmほど誤差が出やすいのに対し、カッターはきれいに真っすぐ裁断でき、手首への負担も少なく済みます。
このセットを使うようになってから、裁断のスピードと精度がぐっと安定しました。
線のとおりに切れると、その後の縫製作業もとても楽になります。
アイロン台と仕上げ馬は裏方の名脇役
バッグづくりでは、芯貼りや縫い代の処理など、アイロン作業も大切な工程です。
そこで活躍しているのが、平台のアイロン代と仕上げ馬です。
アイロン代は大きめで安定感のあるものを使用。特に芯貼りの際に、ぐらつかずにしっかりと圧をかけられる点が気に入っています。
仕上げ馬は、筒状のバッグの内側や細かい部分の縫い代割り、仕上げのアイロンがけに便利です。足付きのアイロン台やタオルで代用していた頃に比べると、作業効率も仕上がりも格段にアップしました。
裏方ながら、仕上がりの完成度に大きく関わってくれる頼もしい道具たちです。
厚手も安心。頼れる「職業用ミシン」
最後にご紹介するのは、わたしにとって欠かせない相棒、職業用ミシンです。
職業ミシンは直線縫い専用です。
以前は家庭用ミシンを使っていましたが、帆布のような厚手の生地を重ねて縫うと、針が止まったり、縫い目が不安定になることが度々ありました。
職業用ミシンに替えてからは、そうした悩みが一気に解消。厚みのある箇所もスムーズに縫えるようになり、仕上がりの美しさにも自信が持てるようになりました。
導入には迷いもありましたが、「もっときちんと作りたい」「長く続けたい」と思えたタイミングで思い切って購入しました。
今思えば、頑張って上位モデルを選んでおけばよかったというのが正直なところです。

これから購入を検討される方は、ぜひ上位モデルの検討をお勧めします。
多少価格が上がっても、厚手素材への対応力や安定感は、長く続けていく上で大きな安心につながります。
道具としては大きくても、精神的にも制作を支えてくれる“相棒”のような存在です。
どんな道具でも、“自分に合っていること”が大事
ご紹介した道具たちは、わたしにとって長く使ってきた「相棒」のような存在です。ですが、これはあくまでも“わたしの場合”。
道具選びには正解がなく、「使いやすい」と感じられること、自分の作業スタイルに合っていることがいちばん大切だと思っています。
たとえば同じチャコペンひとつでも、持ち心地や線の出方は人によって感じ方が違いますし、机の広さや作業スペースによっても、使いやすい道具は変わってきます。
わたしも、最初から今の道具をすべてそろえていたわけではありません。試しながら、入れ替えながら、ようやく「これが自分に合っている」と思える道具に出会ってきました。
だからこそ、まずは手元にあるもので始めてみること、そして「もっとこうしたい」と感じたときが、道具を見直すタイミングだと思います。
長く使っていくことで、その道具の良さにも、そして自分のスタイルにも気づける。
そんなふうに、ひとつずつお気に入りを見つけていくのも、ハンドメイドの楽しさのひとつだと思います。道具も日々進化して新しい商品が次々と出てくるので、試して自分に合うものを見つけていくのも楽しいですね。
まとめ|頼れる道具があると、続けやすくなる
- 日々の作業に欠かせない道具には、それぞれ理由があります
- 長く使う中で「自分に合ったもの」に気づいてきました
- 最初は手元にあるものでOK。必要になったときが、見直しのタイミング
- 道具を見直すことは、“続けやすさ”にもつながります
どんなに小さな道具でも、手に取るたびに「これがあってよかった」と感じる瞬間があります。
道具に助けられながら、自分のペースで続けられることは、ハンドメイドの大きな魅力のひとつです。
これから道具を揃えたい方の参考になればうれしいですし、すでに制作を続けている方にも、「あ、それ私も使ってる!」と共感していただけたら、とてもうれしいです。

おすすめの道具あったら、ぜひ教えてください。
コメント