ハンドメイド作品に気持ちを添える、サンキューカードとブランドカードの工夫

販売の記録・実践メモ

カードにサンキューの文字を書いている

「サンキューカードって、あったほうがいいのかな?」
「ショップカードって、みんな作ってるもの?」

ハンドメイド販売を始めたばかりの頃、私もそんなふうに悩んでいました。
ネット販売ではお客様と直接お話しする機会がないからこそ、ちょっとしたカード1枚で、届ける印象が変わるんじゃないかな…と感じるようになりました。

作品と一緒に、そっと添えるサンキューカードやショップカード。
小さな紙きれかもしれませんが、「ありがとう」の気持ちが伝わることで、あたたかさを感じていただけることもあるんですよね。

この記事では、これまで私が試してきたカードの作り方や、言葉選びの工夫をまとめています。
まだ正解はわからないけれど、「こういう方法もあるんだな」と、気軽に読んでいただけたら嬉しいです。

サンキューカードって必要なのかな…? みんな入れてるの?

サンキューカードとショップカードの違いと役割

ハンドメイド販売でよく使われるカードには、大きく分けて「サンキューカード」と「ショップカード」の2種類があります。

サンキューカードは、ご購入への感謝を伝えるためのもの。
一方でショップカードは、ショップ名やSNSなどの情報を伝えることで、リピーターや紹介につなげる役割があります。

どちらも小さな紙一枚ですが、それぞれに異なる目的があります。
まずはこの2つのカードの違いを知ることで、自分のスタイルに合った使い方が見えてくると思います。


サンキューカードは「ありがとう」を届けるために

ネット販売を始めた頃、「ただ商品を送るだけでいいのかな」「なんだかちょっと味気ないな」と感じたこと、ありませんか?

顔を合わせて「ありがとうございます」と直接伝えることができないからこそ、何かしらの形で気持ちを届けたい…そんなふうに思ったとき、サンキューカードにして届けようと思いました。

カードには「ご購入ありがとうございます。」のひと言に加えて、「お届けした商品と素敵な時間が過ごせますように」と添えています。ほんの一文ですが、ふと目にとまったときに、ちょっとだけ心がふわっとなるような、そんな言葉を選ぶようにしています。

短いメッセージでも、「添えられていたメッセージが嬉しかったです。」とメッセージをいただくと、気持ちはちゃんと伝わるものだなあと感じます。

もしかしたら見られることのないカードかもしれませんが、商品を通してお客様を想う気持ちが伝わるといいなと思いながら添えています。


ショップカードは「ブランドの顔」になる

ショップカードは、作品をお届けしたあとも「どんな人が作っているのか」を伝える役割を持っています。
ネット販売では作り手の顔が見えづらいぶん、ちょっとした情報が信頼や安心感につながることもあると感じています。

私の場合は、ショップ名や販売サイトのQRコード、SNSのアカウントなどを載せた名刺サイズのカードを同封しています。とくにギフトとしてご購入いただくこともあるので、「誰が作ったのか」が贈られた方にも伝わるように…そんな思いも込めています。

また、ショップカードを添えることで、しっかりと活動していることが伝わり、より安心していただけるのではないかと思っています。匿名性の高いネット販売だからこそ、こうした小さな工夫が信頼につながる場面もあるのかなと感じます。

デザインは商品やショップの雰囲気に合わせて整えると、統一感が出てより印象に残りやすくなります。
ふと思い出してもらえるような、“ブランドの顔”としてそっと寄り添うカードになると素敵ですね。

カードの作り方と工夫

自宅で簡単に作る方法

「まずは手軽に始めてみたい」という方には、自宅でカードを作る方法がおすすめです。

必要なのは、プリンターと少しの紙、そして気持ちだけ。
特別な道具がなくても、十分に始められます。

私も販売を始めたころ、サンキューカードとショップカードはすべて手作りでした。

プリンター用のカード台紙を買ってきて、そこに書かれていたメーカーのサイトを使いながら、文字や簡単なイラストを配置。家のプリンターで印刷していました。

挿絵は、当時デザインが得意だった娘にお願いして。小さなカード1枚にも、自分なりの「ありがとう」を込めていたつもりです。

もかとも
もかとも

「今思うと、拙くても“手づくりの気持ち”がしっかり出ていた気がします。」

パソコンの画面を見ながらキーボードを操作している

Canvaなどの無料ツールを使えば、今はもっと気軽にデザインできますし、印刷する紙を変えるだけでも雰囲気が変わります。
自宅印刷は、必要な枚数だけ気軽に作れるのが魅力ですし、デザインを試行錯誤しながら育てていけるのも手作りならではの楽しさだと思います。


エーワンの用紙が使いやすかったです▼

印刷サービスを使う場合のポイント

ある程度まとまった枚数が必要になったときは、印刷サービスを使うのもひとつの方法です。
仕上がりが安定していて、手間もかからないので、イベント出展や在庫をストックしておきたいときにも便利です。

私もしばらくしてから、印刷会社にお願いするようになりました。印刷の質感や色の再現性、断裁のきれいさなど、自宅プリントでは出せない整った仕上がりに驚いたのを覚えています。

費用は業者や用紙の種類によって異なりますが、名刺サイズのカードなら100枚で1,000円〜2,000円ほどで作れるところもあり、思っていたより意外とお手頃でした。印刷の注文が初めてでも、テンプレートが用意されている会社も多く、比較的スムーズに進められます。

依頼する際は、サイズや紙質(マット・クラフト・コート紙など)、厚み、加工の有無などを事前に確認しておくと安心です。
ブランドとしての印象や統一感を大切にしたい方には、とても心強い選択肢だと思います。

もかとも
もかとも

デザインもプロに頼むと、さらに完成度も上がりますね。

実際に使っているカードの中身紹介

並んでいるおしゃれなデザインのカード

ここでは、現在私が実際に使用しているサンキューカードとショップカードについてご紹介します。

作り方やデザインは人それぞれですが、「他の人がどんなふうにしているか」を知ることで、自分のカード作りのヒントになることもあると思います。

サイズや紙の種類、どんな言葉を添えているかなど、私なりのこだわりや工夫も交えながらお話ししていきますね。

サンキューカードの内容とサイズ

私が現在使っているサンキューカードは、名刺サイズ(91×55mm)のシンプルなデザインです。

デザインはCanvaを使ってデザインしています。
豊富なテンプレートでおしゃれなカードが作れますよ

両面印刷で、デザイン文字の「thank you」の下に、ご購入へのお礼と、ささやかな願いを込めた一文を添えています。
「素敵な時間が過ごせますように」「新しい出会いがありますように」など、相手の心にそっと届くような言葉を選んでいます。

あえて手書きのメッセージは入れていませんが、そのぶん言葉の選び方には気を配っています。
ふと目にしたとき、心が少しだけふわっとやわらぐような言葉になれば…そんな気持ちで添えています。

紙はやや厚みのあるマット紙を使用し、落ち着いたグレー地に白の文字を合わせています。
やわらかさの中にも大人っぽさを感じられるよう、彩度を抑えたシックなトーンでまとめました。

シンプルだけれど、気持ちはしっかりと伝えたい──そんな想いで、今のスタイルに落ち着いています。

もかとも
もかとも

読まれないかもしれない。でも、だからこそ“気づいてもらえたら嬉しい”気持ちで書いています。


ショップカードにはどんな情報を載せてる?

今使っているのは、サンキューカードとショップカードの2種類。
ショップカードは、ブランドのことを初めて知る方にも、さりげなく伝えられるようにと作りました。

カードには、ブランド名と簡単なコンセプト、それにショップとSNSのQRコードを掲載しています。
ギフトとして贈られることもあるので、「贈られた方の目にも触れるもの」ということを意識して、情報の見せ方や雰囲気にも気を配っています。

名刺サイズの小さな紙ではありますが、あれこれ詰め込みすぎず、すっきりと整理されたデザインを心がけています。色やフォントも、サンキューカードや梱包と合わせて、ショップ全体の雰囲気と統一感を持たせています。

たとえ一度きりの出会いだったとしても、どこかでふと思い出してもらえたら嬉しい──そんな気持ちを込めて、ブランドカードとしての役割をもたせています。


伝わるためのちょっとした工夫

カードを添えるようになってから、「誰に、どんな言葉を届けたいか」を考えるようになりました。

最初のころは、名刺サイズのショップカードの裏面に「ご購入ありがとうございます」といったお礼のメッセージを印刷して、1枚のカードで済ませていました。
けれどある日、ギフト用の梱包をしているときにふと、「購入のお礼が、贈られた方に届いてしまうのは、ちょっと違うかもしれない」と感じたんです。

もかとも
もかとも

ちょっとした気配りだけど、誰に届くかを考えるようになったきっかけでした。

それ以来、カードの役割を分けるようになりました。
商品にはブランドカードを同封し、ご注文者さまへのサンキューカードは外箱に添える。
そうすることで、それぞれの言葉が、届けたい相手にきちんと届く形になったように思います。

ほんの小さな工夫ではありますが、「このカードは、誰に・どんな言葉を届けたいのか」を考えるようになった、ひとつのきっかけになりました。

手書きでなくても、心は込められる

サンキューカードを書くとき、「やっぱり手書きのほうが丁寧かな」「そのほうが伝わるのかな」と迷ったことがありました。
私も最初はそう思って、少しだけ悩んだ時期があります。

けれど、ひとつひとつの制作や梱包に時間をかけていると、どうしても手書きのメッセージまで加える余裕がないこともあります。無理をして続かなくなるより、自分にとって自然なスタイルで続けられる形を選ぶことにしました。

今は、印刷した言葉の中に気持ちを込めています。ほんの一言でも、丁寧に選んだ言葉なら、ちゃんと伝わると感じることが増えました。
実際、「メッセージに心があたたかくなりました」と言っていただけたこともあります。

大切なのは“どんな形か”より“どんな気持ちで”届けるか。
手書きじゃなくても、気持ちはしっかり届くと信じて、今のスタイルを続けています。

手書きじゃなくても、気持ちってちゃんと伝わるんですね。

サンキューカードとブランドカード、それぞれの届け方

梱包の雰囲気を特別に揃えているわけではありませんが、カードのデザインだけはブランドのコンセプトに合わせて、落ち着いたトーンで統一しています。

全体としては、大人の方にやさしく届くような、静かな空気感を意識しています。

現在は、サンキューカードとブランドカード(ショップカード)の2種類を使い分けています。
自分用にご購入された場合は、2枚を重ねて商品と一緒に包みます。

一方でギフト用にご購入された際は、商品に添えるのはブランドカードだけ。
サンキューカードは外箱にそっと添えるようにしています。

カードが置かれたラッピングの途中の箱


購入者さまへの「ありがとう」と、贈られた方へのブランド紹介──それぞれのメッセージが、きちんと届くように。
そんなふうに役割を分けて添えるようになってから、より気持ちが伝わる形になったように感じています。

梱包やカードに特別な装飾をしているわけではありませんが、「丁寧な梱包で嬉しかったです」と言っていただけることもあり、そうした声がなによりの励みになっています。

梱包についてはこちらでも詳しく書いてます▼

ハンドメイド作家の梱包と発送の工夫|失敗から学んだ5つのポイント
きれいに届けたい、気持ちよく受け取ってほしい。ハンドメイド作品の発送と梱包で、わたしが大切にしている工夫と失敗からの学びをまとめました。

おわりに

サンキューカードやショップカードは、小さな紙一枚ですが、そこに込められる想いはとても大きいと感じています。
直接会えないからこそ、「ありがとう」の気持ちをどう届けるか、「どんな人が作っているのか」をどう伝えるか──そうした工夫が、ネット販売の中で大切な役割を果たしてくれます

私も最初は手探りで、1枚のカードにすべて詰め込んでいた時期がありました。
でも、経験を重ねる中で、「届けたい相手に、届けたい言葉を」という視点を持つようになり、少しずつ今のスタイルに落ち着いていきました。

正解があるわけではないので、最初はシンプルなカード1枚でも充分だと思います。
大切なのは、自分らしい形で気持ちを伝えること。少しずつ、自分のショップに合ったやり方を見つけていけたらいいですね。

この記事が、カードづくりのヒントになれば嬉しいです。

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