初めて自分のハンドメイド作品が売れたとき。
「やった!」「本当に誰かが買ってくれた!」という喜びと同時に、
「これからどうしたらいいの?」「何をすれば正解?」と、不安がよぎった方も多いのではないでしょうか。
販売サイトには流れの説明がありますが、
実際には「メッセージは送った方がいい?」「梱包はどうしてるの?」など、
経験者のちょっとした工夫や考え方も知りたいものです。
この記事では、私自身の経験をもとに、
ハンドメイド作品が売れたあとにやっていることを、実例も交えて、初めてでもわかりやすくご紹介します。
売れたらまず確認すること

初めての通知が届いたときは、うれしさで舞い上がってしまうかもしれませんが、
まずは落ち着いて、次の2つを確認しましょう。
購入通知の確認と作品の在庫チェック
販売プラットフォーム(例:minne)から「ご購入が確定しました」と通知が届いたら、
まずは内容をしっかり確認します。
- 購入された作品はどれか
- 購入者のオプションや備考欄の指定があるか
- 配送先やメッセージが添えられているか
この時点で作品の在庫が手元にあるかを確認し、
間違いなく発送できるかどうかチェックしておくと安心です。

常に在庫はチェックしておきましょう。
もし間違って在庫を切らしていた場合は、すぐに購入者へメッセージを送りましょう。
早めの連絡が信頼につながります。
私の販売スタイルは注文を受けてから製作していますので、ここでは、材料の在庫を確認します。
配送予定日の目安を決める
在庫があることを確認できたら、「いつ発送できそうか」をざっくりでいいので考えます。
minneでは、販売ページで設定した「発送までの目安(日数)」の範囲内に送ればOKですが、
できる限り早めに出せるようにスケジュールを立てると安心です。
たとえば、「週末に梱包して、月曜に発送しよう」と決めておくことで、
余裕を持って動けますし、購入者への連絡もスムーズになります。
また、発送予定日を事前に伝えておくことで、購入者の安心にもつながります。
このあとの流れでは、「お礼メッセージの送り方」や「梱包時に気をつけていること」について、
具体的にご紹介していきます。
購入者へのお礼メッセージの送り方
作品が売れたあと、発送前に一度メッセージを送ることで、購入者に安心してもらえるだけでなく、
「丁寧な作家さんだな」という印象を持っていただくきっかけになります。
公式には義務ではありませんが、あいさつと発送予定の共有をしておくと、スムーズなやり取りにつながります。
送るタイミングと文面の例
理想は、購入通知を受け取った当日〜翌日までにメッセージを送ること。
時間が経ちすぎると相手が不安になる場合もあるので、早めの対応を意識しています。

どこまで丁寧に書いたらいいか、最初はすごく迷いました…
メッセージ文例(シンプル版):
〇〇様
はじめまして。〇〇(ショップ名)の〇〇(本名)と申します。
このたびはご購入いただき、誠にありがとうございます。
作品をお選びいただけたこと、大変うれしく思っております。
発送は、ご入金の確認後◯日以内を予定しております。
準備が整いましたら、改めてご連絡させていただきます。
ご不明な点などございましたら、お気軽にお知らせくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〇〇(ショップ名)
〇〇(名前)
相手からのメッセージがない場合も、こちらから一報を入れるだけで、安心感が伝わります。
メッセージで伝えておくと安心なこと
お礼の気持ちに加えて、以下のような内容を一緒に伝えておくと親切です。
- 発送予定日(例:○月○日ごろ)
- 梱包方法の補足(例:「雨対策として袋で包んでから封筒に入れています」など)
- オプション内容や備考欄についての確認(記入がなかった場合もひと言添える)
たとえば、オプション指定がなかった場合:
ご希望のカラーはお決まりでしょうか?お決まりでしたらこちらのメッセージからお知らせください。ご相談もお気軽にご連絡ください。
といった確認をしておくことで、思い違いやトラブルを防ぐことができます。
メッセージで人柄は伝わります。

梱包時に気をつけていること
ハンドメイド作品は、自分の手で丁寧に作った“顔”のような存在。
だからこそ、お客様のもとに届くまでの梱包も、作品の一部だと考えています。
「きれいに届いてほしい」「気持ちよく受け取ってもらいたい」という思いを込めて、私が普段から心がけている梱包の工夫をご紹介します。
入れ間違いを防ぐシンプルな工夫
複数のご注文や、オプション付きの商品を同時に発送する際に気をつけているのが、「取り違えの防止」です。
私が行っているのは以下のような方法です:
- 作品ごとに付箋をつけて仕分け
→ たとえば「〇〇様・グレージュ×カーキ」「△△様・ネイビー×共布ストラップ」など、商品名+名前でメモを貼っておくと混乱を防げます。 - 梱包→宛名→封緘の順で1件ずつ完了させる
→ 一度に複数作業をしないようにするだけで、ミスのリスクがぐんと減ります。

作品を間違って送っちゃったらどうしようって、ドキドキしてます…
以前、2件分の内容を取り違えてしまったことがあり、それ以来「一件ずつ完了させる」方法に変えました。
些細なことでも、自分に合ったやり方を見つけてルール化するのが安心です。

見た目と安全、両方を意識した梱包例
お客様が封を開けたときの印象も大切にしたいので、過剰なラッピングではなく、“丁寧な印象”と“安心感”が伝わる梱包を意識しています。
私の基本の梱包スタイルは以下の通りです:
- 作品は透明のOPP袋に入れて、防水対策
- 外装は宅配袋か、クリックポスト用の薄型段ボール
- 「折り曲げ厳禁」シールを貼る
- 中にはショップカードとサンキューカードを添えて、ひとことの気持ちを伝えています
「自分が受け取ってうれしいと感じるか?」を基準に、過不足なく整えています。
発送・追跡番号の連絡方法
無事に梱包が済んだら、いよいよ発送です。
ここで大切なのが、「発送完了」のご連絡をきちんとお伝えすること。
特に初めて購入されるお客様にとっては、
「ちゃんと届くのかな」「いつ頃届くんだろう?」という不安もあるもの。
丁寧なひとことが、その不安をやわらげ、信頼につながります。
発送完了後のメッセージ文例
作品を発送した当日中、または翌日までには、
以下のような内容で「発送が完了したこと」と「お届けまでのご案内」を伝えると親切です。
メッセージ文例:
〇〇様
お待たせいたしました。
本日、作品を発送させていただきましたのでご連絡申し上げます。
お届けまで数日お時間をいただきますが、
どうぞ楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
梱包には十分注意しておりますが、
万が一お気づきの点などございましたら、遠慮なくお知らせくださいませ。
また、作品を気に入っていただけましたら、
レビューにてご感想をいただけると今後の励みになります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
形式ばかりでなく、あたたかみのある言葉を添えるのがポイントです。
追跡番号を伝えるときの注意点
追跡可能な配送方法(クリックポスト・ゆうパケットなど)の場合は、
追跡番号と確認用リンクも一緒にお伝えしておくと、お客様に安心していただけます。
例:
追跡番号:123456789012
配送状況はこちらからご確認いただけます:
https://trackings.post.japanpost.jp/services/srv/search/input
ただし、まれに日本郵便の追跡サービスで番号がすぐ反映されないこともあります。
その場合は、「追跡は反映まで少し時間がかかることがあります」と一言添えておくと安心です。
また、複数発送があるときは、追跡番号の貼り間違いに要注意。
私自身は、発送直後にメッセージを送る前に、封筒の宛名と追跡番号をひとつずつ照合する習慣をつけています。
発送後にやっておくとよかったこと
作品を無事に発送できたら、ひとまずひと安心。
でも、販売の流れはそこで終わりではありません。
私自身、最初のころは「これで終わり?」と手持ちぶさたになったこともありました。
そこで、発送後にやっておいてよかったこと・今も続けている習慣をご紹介します。
次回以降の取引や、リピーターづくりにもつながる大切なステップです。
レビューがもらえたら返信しよう
レビューをいただけたときは、お礼のメッセージを送る、またはレビュー返信をしています。
レビューは、今後の購入を検討しているお客様にとっても大切な判断材料。
そして作家にとっては、何よりの励みになります。
たとえばこんなふうに:
素敵なご感想をいただき、誠にありがとうございます。
作品を気に入っていただけたようで、私もとてもうれしく思っております。
また機会がございましたら、ぜひショップをご覧いただけますと幸いです。
このたびは本当にありがとうございました。
短くても「丁寧に読んでいる」ことが伝わると、好印象につながります。
レビュー返信は未来のお客様へのメッセージでもある

Q&A|こんなときどうする?
初めての販売では、マニュアルには書かれていないような「これ、どうしたらいいの?」という場面がいくつも出てきます。
ここでは、私自身が実際に悩んだことや、よくある初心者さんの疑問をピックアップしてお答えします。
Q1:メッセージの返信がないときは?
A1:相手を信じて、発送準備を進めて大丈夫です。
購入後すぐにメッセージを返してくださる方もいれば、まったく返信がない方もいます。
でも、返信がない=トラブルではありません。
発送予定日が決まっている場合は、そのとおりに準備・発送し、
メッセージには「何かございましたらご遠慮なくご連絡ください」と一文添えるのが安心です。

メッセージのやり取りがなくても、後日リピートしてくださる方も多いです。
Q2:キャンセルされたらどうする?
A2:事務的に対応して、気持ちは切り替えてOK。
minneでは、支払い前の状態であれば購入者側からキャンセルが可能です。
こちらに落ち度がない場合は「ご購入ありがとうございました。今回はキャンセルという形で承知いたしました。」と
丁寧に一言添えて終えるだけで問題ありません。
気にしすぎず、「ご縁がなかっただけ」と切り替えるのが長く続けるコツです。
Q3:同時に複数売れたときのコツは?
A3:焦らず、1件ずつ対応すれば大丈夫です。
うれしいことに注文が重なると、喜びと同時にプレッシャーを感じることもあります。
私が実践しているのは、以下のようなシンプルな流れです:
- 1件ごとに「メッセージ送信 → 梱包 → 宛名確認 → 追跡番号控え」まで完了させてから次に進む
- 付箋やメモで「誰に・何を送るか」を目に見える形にしておく

私も初めて2件同時に売れた時は、舞い上がって間違いかけました…
慣れてきたら、チェックリスト形式のメモ用紙を用意するのもおすすめです。
まとめ|売れたあとも、ひとつずつ慣れていけば大丈夫
初めてハンドメイド作品が売れたときのうれしさは、何にも代えがたいもの。
でもそのあとに続く「メッセージは?」「梱包はこれでいいの?」「無事に届いたかな…」といった小さな不安も、きっと誰もが通る道です。
今回ご紹介した流れや工夫は、私が少しずつ覚えてきた“自分なりのやり方”ですが、
最初から完璧でなくても、「丁寧に届けたい」という気持ちがあれば、それだけで十分です。
発送までの流れを自分の中で少しずつ整えていけば、
次に売れたときには、もっと気持ちに余裕を持って取り組めるようになります。
売れたあとも、作品と自分自身を大切にしながら。
ひとつずつ経験を重ねていきましょう。
あなたの「つくる」が、誰かの日常をやさしく彩ってくれるはずです。
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